昨年12月に開催されたDIY建築ワークショップの参加者の学生からレポートが到着しました。
今回は、いつものように現場での試行錯誤の結果
① 防災用 自作ソーラーパネル
② 緊急サイン告知用ビル壁面看板 構造物
③ 水にも浮くウッドデッキ型仮設テント
が出来ました。
未来のために楽しくDoするということで、空飛ぶ家が普通になる未来において必要なことという想像を参加者と共有しながら5日間作業しました。
結果として、ソーラーパネルの設置台の下にはガレージのような空間が生まれ、単管で組まれた構造に敷かれた足場には空飛ぶ自動車が着陸するようなスペースが現れ、仮設ながらも薪ストーブを設置したお茶会のセッティングまで出来ました。
FutureHouseLab.における”大人のクラブ活動”というのは、対象者は自立して働いている大人ですが、まだ世の中に出ていない世代の離れた学生と触れ合うことで、自分たちが学生だったころにどのように社会を見ていたのかを再確認出来て、モノが出来ていく過程でのリアクションにもその共通点と差分があったと思います。
以下 レポートです。
芝浦工業大学 工学部 機械機能工学科 3年 稲寺正也
“Do Workshop!” ~ 一緒にものを作るという楽しさを再確認させてくれる活動 ~
”未来の家 DIY建築WS” の5日間でFutureHouseLab.におけるDIYというものは何か? と考えた時、前述の言葉に終着しました。
子供の頃を思い出してみると、ねんど、砂遊び、レゴブロック、プラモデル、秘密基地、子供の時はDIYという言葉を知らなかったですが、どれも今思うとDIYのようなことだっというように思います。小学生の時は夏休みの自由研究は一つの題目について調べてレポートで発表するということよりは、何かモノを作っていました。ロケットの発射台、椅子、テーブル、本棚とシンプルで質素なものでしたが、とにかく作っていて楽しかった。
“大人になってもモノ作りの楽しさを今感じることは出来るのか?”
まだ学生ですが、年を重ねるにつれて普段の生活の中に ”ものを作る” という機会は少なくなっていると感じています。
FutureHouseLab.が提唱する”大人のクラブ活動”とは、都心のオフィスで働いている大人同士で、モノを作る機会を都市生活の中に組み込みながら自分たちの生活に必要なモノやネットワークを作っていくことだと教わりました。大人だからこそ出来るリアルなモノ作りと、それにまつわる現場での焦燥感、危機感、そして最後に得られる作った後の達成感を少しだけですが体験させてもらうことが出来ました。
“Future House Lab.” ~世の中や、協働作業の流れをつかむ未来の家~
”未来の普通” を志向するFuture House Lab.では、将来的な生活の道具が、空飛ぶ車、空飛ぶ家になるということを想定にいれつつ、まずはそのためのスペース作りを比較的簡単に手に入る単管、クランプ、垂木、足場板などを使用して作りましたが、普段工学部で機械について勉強している自分も初めてこれらを使用するので、初日、2日目は自分の手で使用することに苦戦し、技術力、体力の無さを実感するとともに、職人の偉大さを実感しました。また、寒い冬の雨が降ったりして、2日目終了時点では明らかに作業が遅れていると感じたときは、その日の作業が終了した後、家に帰ってもそのことが頭に浮かんでいました。その焦燥感に対して、どうやって挽回するかを考えることに集中しました。幸いにも3日目以降は、参加したメンバーとのチームワークが向上してきて作業性も上がり、なんとか終了したときにはメンバーとの間に共有した達成感があったように思います。
“DoWorkshop!の本質”
最後に今回のワークショップでその本質の一部を垣間見ることが出来たと思います。
やはり一人でモノ作りすることには限界があり、大きなモノ作りや、社会と関わるようなことをすると、それが顕著に見えてくるということです。チームワークが良いと作業が円滑に進み、集まる人のスキルとコミュニケーションによって出来てくるモノも変わってくると感じました。独りよがりでは自己満足で終わりますが、チームでは共有できます。今はワークショップというものも多種多様にありますが、DoWorkshop!の本質はそこにあるのではないかと思います。