「CBXWorkShop 2017」
平成29年度メキシコ長期インターンシップ生
デザインエンジニアリングラボ
稲寺 正也
8月
ティフアナの8月,本格的な夏が始まり,気温が30度を超す日々が続いています.
その高気温の中暑さを凌ぐためティフナの海で過ごすことが休日の楽しみでした.
国境が海の中にある,その光景を見ることができるのはティフナの醍醐味なので観光に来る方はぜひ訪れてはいかがでしょうか.
CBX Workshop 2017 in Tijuana
いよいよ待ちに待ったCBX Workshop(以下WS)が開催されました.
CrossBorderXpress Workshop2017(CBX WS2017)
メキシコ中西部の都市アグアスカリエンテからパンアメリカン大学
私たち長期インターンシップの成果発表プレゼン,バハカリフォルニア州の3大学による建築,デザインエンジニアリング,食のワークショップをそれぞれ行いました.
本レポートでは以下の内容を報告致します.
① WSまでの赤いトレーラーハウスの最終改善活動
② WS本番当日内容
③ ティファナインターンシップ総括
WSまでの赤いトレーラーハウスの最終改善活動
WSまでの17日間,インターンシップメンバーと赤いトレーラーハウスの未完成部分をメンバーと共有し,最終改善活動を行っていました.
WSまでに解決しなければならない問題点として,
⑴ 定食で提供するご飯とみそ汁のセルフサービスの方法がなかったこと
⑵ 調理用具の収納スペースがなかったこと
⑶ インフォメーションボードの導入後デットスペースが存在していたこと
⑷ ラピッドプロトタイプの三角コーナーの衛生面に問題があったこと
そして,それぞれの解決策として
⑴ セルフサービスカウンターの製作
図1 セルフサービスカウンター
このセルフサービスカウンターは建築学生のアルマンドとクラウディアと共同に設計を行い,組み立てを行い製作しました.材料は木で四角のBOXを4個作り,図下のカウンターは3個のBOXを組み立て上げます.
機能としては図:中央下のBOX上には炊飯器,ガスコンロ(みそ汁提供用),BOX内には御飯茶碗等の食器等を置く用のカウンター,図:左下のBOX上にはフォーク,スプーンとはし,BOX内にはインテリアを置く用のカウンター,図:右下のBOX上には休憩用のコーヒーや定食時提供するドリンク,BOX内にはドリンク用の紙コップを置くカウンターとなっています.
図:右上のBOXには室内インテリアを置けるウォールラックとして設置しました.
結果として,定食の提供時,ご飯とみそ汁のセルフサービスが可能になり,料理提供側の仕事効率と定食提供速度が上がりました.
図2 図1左下のBOX内:富士山画の扇子
図3 図1右上のウォールラック,上:星形ランプ,内:観葉植物
図4 ウォールラック①
図5 ウォールラック②
赤いトレーラーハウスの改善活動において処分となった木材を再利用し,調理用具を収納する用のウォールラックを製作しました.結果として,木材の廃棄率を減らし,壁のデッドスペースを有効的に活用するかつ,以前まで調理用具が占めていたスペースを調理スペースとして活用することが可能になり,料理提供側の仕事効率が上がりました.
⑶ デッドスペース部分に発泡スチロールで作成した文字板を設置
図6 BIENVENIDOS!(いらっしゃいませ!)の文字板
まず,3DCADで文字モデルを作成し,発泡スチロールを熱した鉄線でカットする専用機械にそのモデルを転送し製作します.製作後はペイントし,貼り付けます.
結果として,デッドスペースの物足りなさがなくなり,文字板導入直後後,食堂に訪れた従業員が「ここはレストランかと!」と驚いていました.
⑷ 三角コーナーの底面の改善
図7 改善前の三角コーナー
図8 改善後の三角コーナー
図9 改善後の三角コーナー設置様子
以前の三角コーナーの底面は接地面積が大きく,三角コーナー上部から流れてくる汚水を受け,汚れが付着していました.
これにより,シンク内が汚い状態が続き,衛生面上良くない状態でした.そこで接地面積を極力小さくし汚水が直にシンクに流れるタイプを製作し,問題は解決されました.
因みに三角コーナーはメキシコ人の従業員に聞いても一般的にないらしいので売り出したら売れるかもしれません.
最終結果としてメキシコに来た時と比べると,キッチンは使用していなかった器具が減り,稼働スペースが増え料理効率が上がるキッチンに向上しました.
図10 改善前の赤いトレーラーハウスのキッチン様子
図11 改善後の赤いトレーラーハウスのキッチン様子
ダイニングルームは以前より光が入り込んだことにより,雰囲気が明るくなりました.レストランまたはカフェの形に近付きました.
図12 改善前の赤いトレーラーハウスのダイニングルームの様子
図13 改善後の赤いトレーラーハウスのダイニングルームの様子
WS本番当日内容
待ちに待ったWS本番当日,8月19日(土)には工場内でカンファレンスを開催しインターンシップ生の最終活動報告を行いました.
図14 プレゼンテーションの様子
図15 メキシコ人学生マホとアナのプレゼンテーションの様子
図16 建築学生アルマンドとクラウディアのプレゼンテーションの様子
工場内の従業員またその家族と友人を招待し,ガストロノミーラボの松岡さんが日本食を提供しつつ,赤いトレーラーハウスのお披露目をしました.
参加人数は100人越えと大盛況のイベントとなり,僕たちも最後に自分たちの活動を伝えることができて嬉しかったです。
ティファナインターンシップ総括
僕のインターンシップの目的はエンジニアとして海外で働く経験をしたいということでした。
エンジニア部として製品のプロトタイプ作成,またWSに向けて赤いトレーラーハウスの改善をメキシコ人の学生と自らの手で行いました。
これは日本での学生生活では経験することができないことです。
それを踏まえてこのインターンシップで得たことで一番大きいこととしては
“物が無ければ自分で作り上げればいい”
ということを実践して、そんな生き方が出来ると確信出来たことでした。
これはこれからも自分がエンジニア,ビジネスマンとしていくて行くうえでの柱になる考えだと思います。
日本にはあるがメキシコにはない,しかしその物を作る方法を知っている、また材料もある.
そしたら,作れるではないかと.メキシコだから学べたことかもしれません.
9月
9月からはメキシコのアグアスカリエンテスのUniversidad Panamericanaにてスペイン語を学びつ,日系企業でインターンシップ生として活動致します.また,新たな地で見地を広めつつ目標に向かっていきたいと思います.
図17 8月のメキシコ人美女とのツーショット写真