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千葉大南門でカーゴバイクカフェを始めたMoeさんへの 10の質問
① なぜ、カーゴバイクカフェをやろうと思ったのですか?
この話をアルバイトをしているEureka Coffee Roastersの宮島さんからいただいたときに、昔のラッパ吹きの豆腐屋や軽トラの石焼き芋屋さんを思い出しました。
笛を吹くと人が集まり、時には移動しながら商品を売るコミュニケーションはアナログだけど未来的なイメージがあります。
このアナログフューチャーなコーヒー屋が大学にある絵を想像したらとても面白そうだと思い始めました。
また、千葉大学では本格的なコーヒーを飲める場所はなかったため、千葉大生のコーヒーへの入り口になればいいなという気持ちもありました。
② 思いを行動に移せたきっかけは何ですか?
許可や設備に関しては、働いているEureka Coffee Roastersや周りのみなさんの力が大きかったです。
また、始めの1週間は大学のメインの入り口である南門に1人で立つことに不安と恥じらいがありましたが、
自己を割り切って柳原可奈子になりきることでお客さんが来てくれるようになりました。
③ 始めてからの経緯を教えてください。
5月の中旬から7月末までは1人で色々試してみました。
はじめの1週間は週5で出店していましたが、体力がもたない且つ神出鬼没感が必要だと思い、2周目からは週2から週3の出店に変えました。
この戦略は正解だったと思います。7月末まで売り上げが加速していきました。
10月から12月末まではスタッフ4人で週5で出店しました。秋から冬にかけては天気が悪い日が多く、結果週5で出せなかったことも多くありました。
天気に左右されるので、売り上げを安定させるのは難しいですね。でも逆に晴れた日にコーヒーが飲める!というイメージ作りは物語みたいで面白いと思いました。
12月末にはカーゴバイクカフェの集大成?忘年会?として「コーヒーわいわいのむのむの会」を開催しました。お客さん同士が交わっている姿はとても感慨深かったです。
④ カーゴバイクカフェの一日を教えてください。
10:00 カーゴバイクの準備を始める、駐輪場に止めてあるバイクを持ってエウレカコーヒーへ行き、水や豆を準備します。30分くらいかかります。
10:30 南門まで自転車をこいで行き、ラジオを聴きながらゆるりと準備をはじめます。
11:00 販売開始
16:30 販売終了
17:00 片付けて、エウレカコーヒーへ戻り、売り上げの計算をします。
午前中は基本的に人が少ないので、今日のコーヒーの味を自分で確認したり、コーヒーカップの絵を描いています。
ピークは昼ごはんの後の12:30-13:30で並ぶことも結構あります。
午後も再びゆったり、1人1人のお客さんと談笑しながらコーヒーを淹れることが多いです。
⑤ コーヒーってどうやって抽出しているんですか?
ドリップコーヒーのお店なので、ペーパーフィルターで抽出します。
エウレカコーヒーの店舗でのやり方と同じで、飲みたい豆を選んでもらい、その場でミルで挽きます。豆から挽くために香りがとてもいいです。
挽いた豆は、時間と重さが図れるスケールを使用し、2分半で250gのコーヒーを抽出しています。
カーゴバイクコーヒー屋に来るお客さんはコーヒー好きが多く、抽出方法をじっくり見たり、やり方を聞いてくださるお客さんがとても多くて嬉しいです。
⑥ カーゴバイクカフェをやるときの注意点は?
1つ目は天気です。前日に次の日の天気予報をしっかり確認する必要があります。雨の日は出店しません。一度、天気予報では晴れだったのに通り雨がふり、とても悲惨なことになりました。
それからは、天気予報だけではなく、雨雲レーダーで雲の動きから確認するようにしています。
2つ目は忘れ物です。1人で、さらに外で出店しているため、忘れ物をすると大変です。
例えば全ての準備を終え、ミルを回すための蓄電池を忘れたことに気づくと、再び片付けてお店を閉めて忘れ物を取りに行くことになります。30分以上のロスになります。
しかし、人間忘れ物は多いのですね…私の場合は、常連さんに代わりに立ってもらったり、逆に友人にエウレカコーヒーまで忘れ物を取りにいってもらうなど、周りの人に助けてもらうことがしばしばあります。
⑦ どんなお客さんが来ますか?
お客さんは、本当に様々です!学生、留学生、教授、事務の方、守衛さん、千葉大へ来訪した外部の方、地域の方、近所のお店の方、高校生などなど。。それが面白いですね。
学割を実施しているため、割合でいうと一般の方より学生の方が少し多いでしょうか。
留学生もとても多いです。外国のほうがコーヒーをのんで休憩する文化が発達していると思うので、カーゴバイク周りでチルしてる留学生多いです。
それからお客さんは最近では7〜8割はリピーターな気がします。出店のたびに買いに来てくれるお客さんも何人もいて、
質の高いコーヒーが飲める場所やふらりと立ち寄ってワラワラできる場所の必要性を実感しています。
⑧ お客さんとはどんな会話をしますか?
様々です!単語であげてみると
お昼ご飯の話、研究の進捗、台風対策、コーヒーの美味しい入れ方、流れているラジオからの時事ネタ、恋バナ、髪型、などなど本当に毎日楽しい。
⑨ 最高売上の日のことを教えてください。
最高売り上げは夏休み前最後の営業週だったと思います。
暑かったこともあり、アイスコーヒーがとっても売れました。
また、最終日は普段は400円(学割300円)で売っているのですが、全品200円にして売りました。
新しく来てくださるお客さんもたくさんいて、普段プラス20杯くらい売れたと思います。
秋・冬はホットコーヒーだけなので、春・夏にホットとアイスでバリエーションを出したほうが売り上げは多いです。
⑩ 面白かったエピソードを教えてください。
お客さん同士の思いがけない出会いはおもしろいな〜やっててよかった〜と思うことが多いです。
例えば、建築を学んでいる学生がデザインの教授と同じタイミングにコーヒーを買いに来て、卒業研究のアドバイスをもらっていたり、
たまたま居合わせたお客さん同士が同じ中学校出身であったり、
アメリカから来ていたIT会社の社員とその会社を志望している学生が出会ったり、
この場所が人々のつながる機会になっているのは面白いです。
それから、毎日前を通る留学生となぜか2ヶ月間ピースサインをし続け、2ヶ月目で初めて喋ったということもありました。
毎日たくさんの人が通るので、実は色々な人と濃厚接触者です。一度、はじめて来たお客さんに「この間、ミニストップにいましたよね」って言われてドキッとしました。変なもの買えない。もう1つ、一度全荷物を両手に持ったホームレスらしき女装したおじいちゃんが来たことがありました。そのおじいちゃんは発した声を反復するカエルのぬいぐるみを通じて会話をしていました。
昭和30年にもらった水泳大会の賞状を額縁に入れて持ち歩いていて、それを自慢してくれたり、30分ほど昔話をしてくれました。最後にアイスコーヒーを買ってくれて、今からどこへ行くのですか?と聞いたら「地球の果てまで」と言っていました。このおじいちゃんはいままでのお客さんの中で一番印象が深いです。
番外編⑪ Moeさんと話をするときのコツを教えてください。
コツ。。。!
友人と思って、うだうださらさらと話してもらえれば嬉しいです。。
カッチリしているときっと私は緊張してしまうので。…